イカメタル釣行を愛する皆さん、こんにちは。今回はイカメタル向けのカウンター付きベイトリールのおすすめをご紹介します。
イカメタルでカウンター付きリールを使うと、イカが泳ぐタナ(水深)を正確に把握できるのが大きなメリットです。カウンターで仕掛けの投入深さが一目瞭然になり、狙ったレンジをピンポイントで攻められます。また、同船者との釣れたタナの情報共有も容易になり、釣果アップに繋がります。そんな重要アイテムであるカウンターリールですが、ダイワやシマノをはじめ各社から様々なモデルが販売されており、「どれを選べばいいのか?」と迷ってしまいますよね。
そこで本記事では、イカメタルに適したカウンター付きベイトリールの選び方を詳しく解説し、さらに価格帯別(エントリー・ミドル・ハイエンド)のおすすめモデルを一挙にご紹介します。各リールの注目ポイントとスペックも掲載していますので、ぜひ製品選びの参考にしてください。それでは早速いってみましょう!
イカメタルのカウンター付きベイトリールの選び方
まずは、イカメタル用リールを選ぶ際にチェックしたいポイントを押さえておきましょう。カウンター付きベイトリールならではの機能や、イカメタル釣行で重視すべきスペックについて、以下の項目ごとに解説します。
カウンターの精度と視認性
イカメタルの醍醐味は、“イカのタナを直撃する”こと。これを可能にするのがリールの水深カウンターです。そのため、カウンター表示の精度と視認性は重要なポイントになります。
多くのカウンター付きリールでは、水深を10cm単位で表示でき、1m刻みよりも細かく棚を合わせることが可能です。精度が高いほど狙ったレンジに仕掛けを送りやすく、ヒット率向上に直結します。また表示画面の見やすさも釣果を左右します。日中の太陽下や夜間の灯火下でも読み取りやすいよう、バックライト付きのLCD画面を搭載したモデルがおすすめです。例えばシマノの多くのカウンターリールにはLEDバックライトが付いており夜釣りでも視認性抜群です。暗い中でもはっきり数字が確認できれば、咄嗟のアタリの際にも安心ですね。
さらに最新モデルではカウンター表示の工夫も進んでいます。文字を大きく表示する「デカ文字カウンター」採用モデルや、カウンターの表示モードを選択できるものもあります。視力や好みに合わせて調整できると、とても便利です。購入時にはカウンターの見やすさや設定機能にも注目してみましょう。
ラインキャパシティ
次にラインキャパシティ(糸巻き量)です。イカメタルではPEライン0.4〜0.8号を150〜200m程度巻いて使用することが一般的と言われています。水深50m前後のポイントが多いとはいえ、船の流し方次第で仕掛けを流す距離も長くなりますし、時には100m以上のディープを攻めることもあります。そのため最低でも150m以上はラインを巻けるスプール容量が必要です。
一方で、あまりに大型(深溝)のスプールだと細糸を巻く場合に下巻きが大量に必要になってしまい非効率です。例えばPE0.6号が200m巻ける浅溝スプール搭載モデルなら、下巻き無しでちょうど良い容量です。実際、ダイワの「LIGHT SW X IC SS」のようにPE0.6号-200m対応の浅溝スプールを持つリールは、下巻き不要で経済的。イカメタル専用機らしい設計と言えます。
まとめると、「PE0.6〜0.8号を200m弱巻ける容量」を一つの目安にしましょう。それ以上太いラインを使う予定がある場合は、もう少し深いスプール(例えばPE1号-200m以上)が必要ですが、基本的には細糸メインのイカメタルでは浅溝タイプが扱いやすいです。
ハンドル長・ノブ形状
意外と見落とせないのがハンドルの長さとノブの形状です。イカメタルは手持ちで竿をシャクリ続ける釣りのため、リールのハンドル操作性が快適さに直結します。
ハンドル長はやや長めのものが人気です。ハンドルが長いとテコの原理で巻き上げパワーが増し、深場から仕掛けを回収するときも軽い力で巻けます。実際、最近のモデルは長めハンドル化が進んでおり、たとえばシマノ「バルケッタBB」は前作よりハンドルを55mmに延長して巻き取りやすく改良されています。ハイエンドモデルになると60mm級のロングハンドルも登場しており、重いオモリスッテ使用時や大物ヒット時でも安定したリーリングが可能です。
一方、ノブ(グリップ)形状も要チェックです。イカメタルでは小刻みな誘いをかけるため、ダブルハンドルに小型ノブという組み合わせがよく用いられます。ダブルハンドルは自重バランスが良く、仕掛けの繊細なフォール中にハンドルが勝手に回転しづらい利点があります。船の揺れや手元のブレでハンドルが動いてしまうと糸フケが出て棚ズレの原因になりますが、ダブルハンドルなら安心です。
ノブは握りやすさ重視で、滑りにくいEVA素材や丸型ラウンドノブが主流です。パワーファイトを想定するならシングルハンドル+大型ノブ(卵型やT字型)も選択肢ですが、イカメタルでは片手での小技操作が多いため、ノブはつまみやすく扱いやすい形状が◎。例えばダイワ「LIGHT SW X IC」は大型EVAノブを採用し、滑りにくく様々なターゲットに対応できると謳われています。手の大きさや好みにもよりますが、“握り込む”より“摘む”感覚で扱えるノブがイカメタル向きでしょう。
フォールコントロール機能
近年注目の機能がフォール(落下)コントロール機能です。これは仕掛けを沈める際のスピードを調節できる機構で、代表的なのがシマノのフォールレバー搭載モデルです。イカメタルでは、時にスローなフォールが有効になる場面があります。イカが高活性のときは仕掛けをゆっくり落とすだけで当たりが出ることもあり、そうした場合にフォールレバーが威力を発揮します。
フォールレバーを操作すれば、仕掛けの落下スピードを思い通りにコントロール可能です。例えば一定速度で真っ直ぐ落としてイカにアピールしたり、ある層だけゆっくり通過させて誘ったりといった芸当ができます。手を離せばフリーに近い状態にもでき、瞬時に調整できるのがレバーの強みです。
ダイワの一部リール(例えばタイラバ用など)にもフォール速度調節ダイヤルがあるモデルがありますが、専用レバー式の方が直感的で細かな操作ができます。シマノの「バルケッタFカスタム」や最新「バルケッタプレミアム」にはこのレバーが搭載されています。特に2024年モデルのバルケッタプレミアムでは、レバーを締め込んでもハンドル回転が重くならない新機構を採用しており、フォール中も巻き心地が悪化しません。従来はレバーを効かせると巻きが重くなる欠点がありましたが、それを解消した画期的な改良です。
もちろんフォールレバー無しでも、クラッチを切って親指(サミング)でスプールの回転を制御すれば落下速度の調節は可能です。ただし毎回指先の感覚に頼るのは難しく、長時間だと疲労も増します。フォールコントロール機能付きリールは、再現性の高いフォール調整ができる点でアドバンテージがあります。イカの活性が低くテクニカルな攻めが必要な日には、ぜひ活用したい機能です。
ギア比と巻取り長
ギア比とはハンドル1回転あたりのスプールの回転数を示し、これによって巻取り長(ラインの回収長さ)が決まります。イカメタルでどのギア比が良いかは一概に言えませんが、自分の釣りスタイルに合わせて選ぶのがおすすめです。
ハイギア(HG)やエクストラハイギア(XG)モデルは、1回転あたりの糸巻き量が多く仕掛け回収が速いのが特徴です。例えばギア比7〜8クラスなら、一気に仕掛けを回収して手返し良く再投入できます。特に潮が速い日や、群れのレンジがコロコロ変わるときは、素早く仕掛けを入れ直せるHG/XGが有利です。ただし巻き上げ抵抗は大きくなるため、重いオモリを高速で巻き続けるのは腕に負担がかかります。短時間で勝負を決めたいアグレッシブ派に向いています。
一方、ローギア(PG=パワーギア)タイプは1回転の巻取り量が少ない代わりに、巻き取りが軽く楽なのがメリットです。ゆっくりですが力強く一定のペースで巻けるので、ずっと誘い続けるような釣り方でも疲れにくいです。イカメタルでは、イカが散発的に当たる渋い状況で、棚を細かく区切ってじっくり探るようなときにローギアが向いています。ゆったり誘ってアタリを取りたいテクニカル派におすすめです。
最近ではギア比ごとに型番が分かれていることが多く、同じリールでもHGとPGを選べたりします。巻取り長(cm/回転)もカタログに載っているので確認しましょう。HGならだいたい70cm前後、XGは80cm超、PGは60cm台といった具合です。ちなみにイカメタル専用ロッドは柔らかい穂先が特徴で、自ら巻き上げる力も利用してイカを掛ける(いわゆる「巻き乗せ」)釣法もあります。その点では一定速度で巻きやすいPGの方が乗せやすいとも言われます。ギア比選びに迷ったら、自分の釣り方や体力と相談してみてください。
重量とタックルバランス
イカメタルゲームは、一晩中手持ちでシャクリ&フォールを繰り返すこともしばしば。だからこそリールの自重(重さ)は無視できないポイントです。【「軽ければ軽いほど楽」】――これは一日中シャクリ倒す釣りにおいて真理と言えるでしょう。
軽量なリールを使うメリットは、単純に手首への負担が減るだけでなく、タックル全体のバランスが良くなることです。ロッドとリールを組み合わせたときの重心が手元寄りに来やすくなり、片手でロッドを立てて仕掛けをゆっくりフォールさせるような釣りでも安定します。逆にリールが重いと前方に引っ張られる感じが強く、操作が雑になりがちです。
最近のカウンター付きベイトリールは各社技術革新が進み、200gを切る超軽量機も登場しています。例えばダイワの「ティエラ AIR IC」はわずか165gと、カウンター付きとしては驚異的な軽さです。これはザイオン(カーボン樹脂)ボディの採用など徹底した軽量化設計の賜物ですが、剛性とのバランスも取られており実釣でも頼れる存在です。
もちろん軽さばかり追求すると強度面で不安が出るケースもあります。格安モデルで極端に軽量なものは、ボディ剛性が低く巻き上げ時にたわむことも考えられます。そのため必要十分な強度を保った上で軽量なモデルを選ぶことが大切です。高級機には部分的に金属フレームを使い剛性を確保しつつ、他は軽量素材で仕上げるといった工夫がなされています。例えば「ティエラAIR IC」はZAIONフレームで剛性と軽さを両立しています。
結論として、できるだけ軽いリールを選ぶのが吉ですが、自分の予算内で最も軽く、なおかつ評判の良いモデルを探すと良いでしょう。軽量化技術は年々進歩していますから、新しいモデルほど軽い傾向にあります。長時間の釣りでも疲れにくい軽量リールで、快適にイカメタルを楽しみましょう。
アラーム&デプス機能
カウンター付きリールには、音や記憶で釣りをアシストしてくれる便利機能が搭載されていることがあります。その代表格がアラーム機能とデプス(Depth)機能です。
まず「アラーム」と一口に言ってもいくつか種類があります。ひとつは船べりアラームと呼ばれるもの。これは仕掛けを回収する際、水面まで残りわずかになると「ピッピッ」と音で知らせてくれる機能です。ダイワのICリールには概ね搭載されており、水深5mから1mごとにアラームが鳴って竿先巻き込みなどの事故を防いでくれます。特に暗い夜のイカメタルでは重宝する安全機能です。
次にデプスアラーム(棚アラーム)。こちらは設定した水深に達したときや、一定距離巻き上げるごとに音で知らせてくれる機能です。例えばシマノ最新の「巻上距離アラーム」は、巻き始めからのライン巻取り距離を計測し、予めセットした間隔ごとに音を鳴らすことができます。これによりカウンターの数字を見なくても、今何m巻いたか耳で把握できるので、穂先から目を離さずに釣りに集中できます。ダイワの「ティエラ IC」シリーズには10m毎に音色が変わるデプスアラームが搭載され、音の高さで仕掛けの深さが分かる仕組みです。狙いの棚に達したら音で教えてくれるので、複数のレンジを探る際にも大変便利です。
また見逃せないのがエキサイティングドラグサウンド(ドラグ音)です。シマノの両軸リールではおなじみの機能で、ドラグが滑ったとき「ジリジリ…」という心地よいクリック音が出ます。これによってイカや魚が走った瞬間が音で分かりやすくなり、スリリングなやり取りが楽しめます。イカメタルではそこまで強烈にドラグが出ることは稀ですが、大型スルメイカや思わぬゲスト(青物等)が掛かった際には有難い機能です。
最後にメモリ機能として、水深メモリやタイマーを持つモデルもあります。例えばカウンターに特定の棚を記憶させておいて、再投入後にその棚までくると教えてくれる、といったものです(シマノの一部電動リール等に搭載)。イカメタル用手巻きリールでは簡易的なものが多いですが、仕掛け投入からの経過時間を表示するタイマー機能などは付いているものがあります。細かな機能ですが、釣り方によっては役立つでしょう。
右巻き?左巻き?
最後に基本的なことですが、リールのハンドルの左右についてです。ベイトリールには右ハンドルモデルと左ハンドルモデルがあり、これは完全にアングラーの利き手や釣法のスタイルによる選択になります。
イカメタルに関して一般的なのは、右利きの方なら左ハンドルリールを使うパターンです。つまりロッドを右手で操作し、左手でリールを巻くスタイルですね。理由は、イカメタルでは竿を細かくシャクったりアタリを取ったりするため、利き手側でロッドコントロールしたほうが繊細な操作がしやすいからです。右手(利き手)でサオ先の動きを感じ取りながら、ヒットしたらそのまま左手で巻き上げる、という一連の動作がスムーズに行えます。
手持ちの他のリールとの兼ね合いや、自分が力を入れやすい手でハンドルを回したいか、など人それぞれです。例えば船釣り歴の長い方は右手巻きリール(右ハンドル)に慣れているケースも多いですね。
ここで注意したいのは、選択を誤ると非常にストレスになるということ。普段使い慣れない向きのリールは、不意の大物ヒット時に焦ってしまったり、誘いのリズムが狂ったりしかねません。「自分が自然に扱える向き」を選ぶのが一番です。最近の人気モデルは左右それぞれラインナップされていることがほとんどなので、ご安心ください。製品名の末尾に「右」や「左」、「R」「L」などと表記があるので、購入時には間違えないようチェックしましょう。
以上、イカメタル用カウンター付きリール選びのポイントを解説しました。では次に、具体的なおすすめモデルを価格帯別に見ていきましょう!
イカメタルのカウンター付きベイトリールの価格帯別おすすめ
それでは、編集部が厳選したイカメタル対応カウンター付きベイトリールを価格帯ごとに紹介します。エントリークラス(リーズナブル)、ミドルレンジ(中級向け)、ハイエンド(高級機)に分けてありますので、予算に応じて参考にしてください。それぞれダイワとシマノの代表モデルを中心にピックアップしました。各リールの特徴とスペック表も掲載しています。
エントリークラス(〜15,000円)
まずはエントリークラス。予算1.5万円程度までで買えるカウンター付きリールです。初めてのイカメタル用リールに最適な価格帯ですが、機能は十分実用レベルのものが揃っています。
LIGHT SW X IC SS(ダイワ)
エントリークラスのダイワ製カウンターリールとして真っ先に名前が挙がるのが、この「ライトSW X IC SS」です。2020年発売のモデルで、イカメタルを含むライトゲーム用に開発されました。特徴はなんといっても手頃な価格と必要十分な機能を両立していることです。
このリール、実売価格は1万円ちょっとながらICデジタルカウンターを搭載し、水深を10cm単位で表示可能。細かなタナ合わせができるので初心者でも安心です。また船べりアラーム付きで、巻き上げ時に水深5mから1m毎にピッと音が鳴ってくれます。うっかり仕掛けを上げすぎて竿先を叩く…なんてトラブルも防げる親切機能です。
さらに、このモデルは浅溝スプール(SS)仕様になっている点も見逃せません。PE0.4〜0.6号が200mちょうど巻ける設計で、下巻き不要でそのまま実戦投入できます。細いラインを使うイカメタルには嬉しい仕様ですね。100mmのダブルハンドルには大型EVAノブを装備し、滑りにくく力の入れやすいグリップ感となっています。アルミ製のスーパーメタルフレーム採用で剛性も確保されており、エントリーモデルといえど侮れません。
総じて「イカメタルをこれから始めたい」「予算は抑えたいが専用機能は欲しい」という方にピッタリの一台です。実績も十分な人気モデル、まずはこれを選べば失敗は少ないでしょう。
スペック表は以下の通りです。
自重 | ギア比 (巻取り長) | 最大ドラグ | ラインキャパ(PE) | ハンドル長 | ベアリング | 実売価格(約) | 発売年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
245g | 6.3:1 (69cm/回) | 5kg | 0.4号-200m、0.6号-200m他 | 100mm (ダブル) | 5ボール+1ローラー | ¥12,000前後 | 2020年 |
ライトゲーム X IC 150L-DH(ダイワ)
続いては同じくダイワのライトゲーム X IC。こちらは2021年頃発売のモデルで、「X」の名が示す通りコストパフォーマンスに優れた汎用リールです。先述のライトSW IC SSと用途は重なりますが、微妙にスペックが異なりますので比較しつつ紹介します。
ライトゲーム X IC 150L-DHは、PE2号-200mまで巻ける深さのスプールを持ち、イカメタル以外のライト泳がせやタチウオゲームなど幅広いライトボートゲームに対応できる設計です。自重は約230gとSW ICより少し重めですが、その分ラインキャパが大きくオールラウンドに使えるのが強みです。
搭載するICカウンターはもちろん10cm刻み表示で、アルミフレームボディにより高負荷でもたわみの少ない剛性を確保しています。100mmダブルハンドル+EVAノブはSW ICと同等ですが、こちらはハンドルノブが交換可能設計(Sサイズ互換)となっており、好みに応じてカスタムも可能です。
SW IC SSとの大きな違いは、巻取り長さとハンドル長でしょう。ライトゲームX ICもギア比6.3で巻取り長約69cm/回転とスペックは似ていますが、ダブルハンドルのアーム長は100mmで同一です。一方、SW ICが浅溝スプールによる特化モデルなのに対し、ライトゲームX ICは標準的な糸巻き量でどんなラインでも対応しやすい万能機と言えます。
価格帯も1万円台前半と買いやすく、「とりあえず一台あればイカメタルから他の釣りまで色々試したい」という欲張りなニーズにも応えてくれるでしょう。ダイワ独自の「ハイパーアルメイドハウジング」など高度な構造は兄貴分のライトゲームICシリーズに譲りますが、それでも基本性能はしっかりしています。初めの一台にも、サブの予備リールにもおすすめできるモデルです。
自重 | ギア比 (巻取り長) | 最大ドラグ | ラインキャパ(PE) | ハンドル長 | ベアリング | 実売価格(約) | 発売年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
230g | 6.3:1 (69cm/回) | 5kg | 1号-400m、1.5号-250m、2号-200m | 100mm (ダブル) | 5ボール+1ローラー | ¥13,000前後 | 2021年 |
バルケッタBB 151DH-HG(シマノ)
シマノのエントリークラスからは「21 バルケッタBB 151DH-HG」を紹介します。2021年発売のモデルで、「BB」はシマノ製品で言うところのエントリーグレードを示す記号です(安価だけどベーシック機能をしっかり備えたシリーズという位置づけ)。
バルケッタBBは、その名の通りバーケッタシリーズの廉価版ですが、性能はなかなか侮れません。実釣テストによる改良が加えられており、特にハンドルアームが前作より伸ばされ55mmになっています。これにより軽い力でも深場から楽に巻き上げ可能で、初心者でも扱いやすいです。ギア比は7.0のハイギア(HG)で、1回転あたり約70cmの巻取り長があります。素早い仕掛け回収ができるので、回遊するイカを追って頻繁に棚を変える釣り方にも向いています。
特筆すべきは視認性の高いバックライト付き液晶カウンターです。暗所での見やすさに配慮されており、点灯パターンも選択可能となっています。これは上位機種譲りの機能で、夜焚きイカ釣りでも大きな安心感をもたらします。またシマノ独自のエキサイティングドラグサウンドも搭載されており、イカや魚が引いた際に「ジーッ」という心地よい音で知らせてくれます。この価格帯でドラグ音が付いているのは嬉しいポイントです。
素材面ではCI4+素材のボディを採用しており、剛性を保ちつつ軽量化を図っています。自重も約220gと標準的で、手持ちでも扱いやすい重量です。基本性能はしっかり押さえつつ価格を抑えてあるため、「入門機だけど長く使えるものが欲しい」という方にピッタリでしょう。
価格は1万円前後とリーズナブルで、コスパの高さから人気のモデルです。シマノファンの方はまずこのBBシリーズから検討してみてはいかがでしょうか。
自重 | ギア比 (巻取り長) | 最大ドラグ | ラインキャパ(PE) | ハンドル長 | ベアリング | 実売価格(約) | 発売年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
220g | 7.0:1 (約70cm/回) | 5kg | 1.5号-200m、2号-150m、3号-100m | 55mm (ダブル) | 3ボール+1ローラー | ¥12,000前後 | 2021年 |
ミドルレンジ(15,000〜30,000円)
次はミドルレンジ。予算1.5万〜3万円程度で手に入る、中級者向け&こだわり派向けモデルです。エントリー機より高性能かつ耐久性も上がり、よりストレスなく釣りが楽しめます。
ライトゲーム IC 150L-DH(ダイワ)
ダイワのミドルクラス代表と言えるのが「ライトゲーム IC 150L-DH」です。先述の“X”が付かないライトゲームICシリーズの本流モデルで、2022年登場の比較的新しいリールです。エントリーモデルとの差は、ずばり各種テクノロジーによる性能アップにあります。
最大の特徴は、ダイワの次世代設計思想「HYPERDRIVE DESIGN」を搭載していること。具体的には、ギアには高精度・高耐久のハイパードライブデジギアを採用し、使い込んでも滑らかな巻き心地が長続きします。さらにギア軸両端をしっかり支えるハイパーダブルサポート構造で、負荷時のパワーロスを軽減。要するに巻き上げパワーと耐久性が飛躍的に向上しているのです。
自重は約215gと、カウンター付きとしてはかなり軽量な部類です。これはボディ設計の見直しや素材選定の成果で、実際に手に取るとコンパクトさと軽さに驚くでしょう。ハンドルもエントリー機より長い110mmダブルハンドルを装備し、リール自体の軽さと相まって巻き始めの軽快さが際立ちます。一日中シャクっても疲れにくく、長時間のイカメタルには非常に心強い味方になります。
カウンター周りの機能も充実しています。水深を音でも知らせるデプスアラームを搭載し、10m毎にアラーム音のトーンが変化することで現在の水深を耳で判断可能です。カウンター表示を見ずとも棚取りができるため、夜間の釣りでも集中力を切らさずに済みます。またその他にも巻上げ速度表示機能など、ICカウンターの多機能化が図られています。
剛性面ではアルミ製ボディ(ハイパーアームドハウジング)でしっかりフレームが固められており、大物が掛かっても安心です。ドラグもATD搭載でmax5kgと余裕十分。【「軽さ・強さ・賢さ」】三拍子揃った秀逸なリールと言えるでしょう。
価格は2万円台前半と、この性能を考えればむしろお買い得感があります。本格的にイカメタルにのめり込みたい方や、ワンランク上の使いやすさを求める方にぜひ手に取ってもらいたいモデルです。
自重 | ギア比 (巻取り長) | 最大ドラグ | ラインキャパ(PE) | ハンドル長 | ベアリング | 実売価格(約) | 発売年 |
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215g | 6.3:1 (約70cm/回) | 5kg | 2号-200m、3号-130m | 110mm (ダブル) | 5ボール+1ローラー | ¥23,000前後 | 2022年 |
バルケッタ Fカスタム 151DH(シマノ)
次にシマノのミドルクラスからは「バルケッタ Fカスタム 151DH」を取り上げます。2020年に初登場したモデルですが、2025年にフルモデルチェンジが行われ(通称“25バルケッタFカスタム”)、現在は新旧2世代の在庫が市場にある状況です。ここでは主に最新モデルの特徴を踏まえつつ紹介します。
バルケッタFカスタムは、一言で表すなら「ハイエンド機バルケッタプレミアムに肉薄する高機能ミドル機」です。最大の売りはもちろんフォールレバー搭載であること。上位機種ゆずりの新形状フォールレバーが組み込まれ、自在なフォールスピード調節が可能です。しかもプレミアムと同じくワンウェイクラッチ機構付きで、レバーを締めてもハンドル巻きが重くならない改良型となっています。
スペック面では、ギア比は通常版が6.9(ダブルハンドル)でハイギア仕様、XG版は8.1(ダブルハンドルXG)で超ハイギア仕様と2展開。150DH(6.9)と150DHXG(8.1)から選べます。自重はどちらも約225gと、旧モデルからかなり軽量化されました(旧モデルも225gでしたが、新モデルも同等の軽さを維持)。これは上位プレミアムと同じCI4+製サイドプレートなどを採用した成果で、手に持つと軽快そのものです。
ドラグ力は最大5.5kg(XGは5.0kg)と十分強く、青物クラスが掛かっても対応できます。ダブルハンドル長は60mmで大型ノブ付き、パワーハンドル(シングル)仕様もラインナップされています。ただイカメタル用途ならダブルハンドル版が人気でしょう。ラインキャパもPE0.8号-400mと余裕たっぷりで、細糸なら下巻き要らずです。
機能面では、上位機から削ぎ落とされた部分を除き主要機能は網羅しています。具体的にはプレミアムにあったマイクロモジュールギアこそ非搭載ですが、HAGANEボディ(アルミフレーム)やXシップ、そしてLEDバックライト付きICカウンター&ドラグサウンドはしっかり継承。カウンターにはもちろんフォール速度表示や巻き速度表示も備わり、基本性能は文句なしです。新モデルではさらにプレミアム譲りの巻上距離アラームや視認性向上した新LCDを搭載しており、ミドル機とは思えない充実ぶりです。
価格は発売直後でやや高めですが、それでも実売2.5万円前後から手に入るでしょう。「最新機能が欲しいけど予算的にプレミアムは厳しい」という方には、このFカスタムがベストな選択肢になります。まさに価格以上の価値がある一台です。
自重 | ギア比 (巻取り長) | 最大ドラグ | ラインキャパ(PE) | ハンドル長 | ベアリング | 実売価格(約) | 発売年 (最新) |
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225g | 6.9:1 (69cm/回)、※XG: 8.1:1 (81cm) | 5.5kg (XG:5kg) | 0.8号-400m、1号-330m、1.5号-200m | 60mm (ダブル) | 5ボール+2ローラー | ¥25,000〜30,000 | 2025年(初代2020年) |
ハイエンド(30,000〜50,000円)
最後はハイエンドクラスです。予算3万〜5万円ほど出せるなら、高機能満載の最上位モデルが射程に入ります。軽さ・強さ・多機能、全てにおいてトップレベルのリールを2つご紹介します。
ティエラ AIR IC 100HL(ダイワ)
ダイワが2024年に満を持して発売した新製品が「ティエラ AIR IC」です。先代「ティエラ IC」の後継機であり、名前に“AIR”と付く通り圧倒的な軽さが最大の売りです。カウンター付き両軸リールとしては異例とも言える自重165gを実現しており、市場でも話題沸騰となりました。
軽量化の鍵は、ZAION(ザイオン)素材のフレーム&サイドプレートにあります。ZAIONはダイワ独自のカーボン強化樹脂で、金属並みの剛性を持ちながら非常に軽量です。ティエラAIR ICではボディに思い切ってこの素材を採用し、前作ティエラA IC(アルミボディ)から30g以上の軽量化に成功しました。しかもハイエンド機らしくHYPERDRIVE DESIGNコンセプトを搭載し、滑らかでタフな駆動系も健在です。
スペックはギア比7.1(H)と8.1(XH)の2種類があり、この記事では汎用性の高い100HL(7.1:1の左ハンドル)を例に挙げます。巻取り長は66cm/回で、ハイギアながら無理のない設定です。最大ドラグ力は5kgあり、ライトゲーム全般に十分対応。PEラインキャパは0.6号-200m(または0.8号-120m)と、細糸専用リールらしい浅めのスプールです。イカメタルにはジャストな容量と言えます。
搭載機能も盛りだくさんです。まずICカウンターの多機能ぶりが突出しています。10cm刻み表示は当然として、深度アラーム(1回/3回/5回鳴動設定)、巻上速度表示、LEDバックライト(点灯モード切替可)、船べりアラーム、糸巻き量補正モード、タイマー表示等々、考えうる機能はすべて網羅。特に糸噛み(細糸がスプールに食い込む現象)の抑制策として、スプール形状を工夫している点はイカメタル専用機ならではです。細いPEラインを巻いた際に両端でラインが沈み込みにくい段差設計になっており、0.4〜0.6号使用時のトラブルを大幅に減らしています。
ハンドルも贅沢に110mmアルミダブルハンドルを装備し、ノブは軽量かつ握りやすいパワーライトノブ(Sサイズ)です。長めのハンドルがもたらす安定した巻きと、リール自体の軽さが融合し、イカメタルロッドとの組み合わせでは総重量200g台前半という驚異的な軽さのタックルが実現します。これを一度味わうともう他には戻れないかもしれません。
価格は定価5万円超と高価ですが、実売は4万円弱程度です。【「最高の軽さと機能でイカメタルを楽しみたい」】という方には、現状これ以上ない選択肢でしょう。文字通り次世代のイカメタルリールとして強くおすすめします。
自重 | ギア比 (巻取り長) | 最大ドラグ | ラインキャパ(PE) | ハンドル長 | ベアリング | 実売価格(約) | 発売年 |
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165g | 7.1:1 (66cm/回) | 5kg | 0.6号-200m、0.8号-120m | 110mm (ダブル) | 6ボール+1ローラー | ¥42,000前後 | 2024年 |
バルケッタプレミアム 151DH(シマノ)
最後に紹介するのは、シマノのカウンターリールシリーズ最高峰「バルケッタ プレミアム 151DH」です。2024年6月にモデルチェンジされた最新機種で、シマノ技術の粋を集めたフラッグシップモデルと言えます。
新生バルケッタプレミアムの注目ポイントは数多くありますが、中でも大幅軽量化と新機能追加が見逃せません。まず重量は前作比で30g以上軽量化され、自重約225g(ダブルハンドル時)にまで削ぎ落とされました。これは側板にCI4+樹脂を採用するなど細部を見直した成果で、しかも金属製HAGANEボディの剛性はきちんと維持しています。ロープロファイル形状も相まって手に馴染みやすく、操作性は飛躍的に向上しました。
次にNEWフォールレバーの搭載です。このフォールレバー、内部にワンウェイローラーが組み込まれており、ブレーキをかけてもハンドルの回転が重くならないという画期的な機構です。フォール速度を絞っている最中でもスムーズにリールを巻けるため、従来のレバー付きリールの弱点を克服しています。形状も上面にくぼみを設け指掛かりを改善するなど、人間工学的にも操作しやすく改良されました。
さらに、60mmロングハンドル(ダブル/シングル共)を採用し、ノブも大型化。深場で重いオモリを扱う際や、不意の大物とのファイトでも力強い巻き上げをサポートしてくれます。実釣では安定感が増し、一段上の安心感があります。
電子機能面では、巻上距離アラームという新機能が話題です。設定した距離ごとに3回まで音で知らせてくれるので、例えば「10mおきにアラーム」をセットすれば、0m→10m→20mと音が鳴り、カウンターを見ずともおおよその巻上距離が把握できます。指示棚への再アプローチが格段にしやすくなり、釣果アップに貢献するでしょう。
基本スペックは、ギア比6.9(HG)と8.1(XG)の2種あり、ここでは151DH(6.9のダブルハンドル)を取り上げます。巻取り長69cm/回転、最大ドラグ5.5kgとバランスの良い設定。ラインキャパはPE0.8号-400mとFカスタム同様で十分すぎるほどです。ベアリングはボール8個+ローラー1個と多数搭載で、回転の滑らかさは抜群。またMicroModuleギアやX-SHIP、Xプロテクト防水、レベルワインド連動機構など、シマノの持つ主要テクノロジーは全投入されています。
エキサイティングドラグサウンドやカウンターのバックライト・スピード表示等は言うまでもなく標準装備。いわば「全部入り」のリールであり、価格も相応ですが約35,000円程度で入手可能です(高性能を考えればむしろリーズナブルとの声も)。
イカメタルを含むライトゲーム全般で最高のパフォーマンスを発揮してくれる一台です。「予算は惜しまないからとにかく良いものを使いたい」というアングラーには、このバルケッタプレミアムが最有力候補になるでしょう。
自重 | ギア比 (巻取り長) | 最大ドラグ | ラインキャパ(PE) | ハンドル長 | ベアリング | 実売価格(約) | 発売年 |
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225g | 6.9:1 (69cm/回) | 5.5kg | 0.8号-400m、1号-330m、1.5号-200m | 60mm (ダブル) | 8ボール+1ローラー | ¥35,000前後 | 2024年 |
イカメタルのカウンター付きベイトリールの価格帯別おすすめまとめ
最後に、本記事で紹介したリールを価格帯別にまとめておさらいします。2025年7月時点での平均的な実勢価格や主要スペックを比較表にしましたので、検討中のモデルがある方はぜひ参考にしてください。
モデル名 (メーカー) | 自重 | ギア比 (巻取り長) | 最大ドラグ | ラインキャパ(PE) | ハンドル長 | ベアリング | 実勢価格(2025年7月) | 発売年 | 価格帯 |
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LIGHT SW X IC SS (ダイワ) | 245g | 6.3:1 (69cm/回) | 5kg | 0.6号-200m (浅溝) | 100mm ダブル | 5+1BB | ¥12,000前後 | 2020年 | エントリー |
ライトゲーム X IC 150 (ダイワ) | 230g | 6.3:1 (69cm/回) | 5kg | 2号-200m 他 | 100mm ダブル | 5+1BB | ¥13,000前後 | 2021年 | エントリー |
バルケッタBB 151DH-HG (シマノ) | 220g | 7.0:1 (70cm/回) | 5kg | 2号-150m 他 | 55mm ダブル | 3+1BB | ¥12,000前後 | 2021年 | エントリー |
ライトゲーム IC 150 (ダイワ) | 215g | 6.3:1 (70cm/回) | 5kg | 2号-200m 他 | 110mm ダブル | 5+1BB | ¥23,000前後 | 2022年 | ミドル |
バルケッタ Fカスタム 151DH (シマノ) | 225g | 6.9:1 (69cm/回) ※XG:8.1 | 5.5kg | 1号-330m 他 | 60mm ダブル | 5+2BB | ¥25,000〜30,000 | 2025年 | ミドル |
ティエラ AIR IC 100HL (ダイワ) | 165g | 7.1:1 (66cm/回) | 5kg | 0.6号-200m 他 | 110mm ダブル | 6+1BB | ¥42,000前後 | 2024年 | ハイエンド |
バルケッタプレミアム 151DH (シマノ) | 225g | 6.9:1 (69cm/回) | 5.5kg | 1号-330m 他 | 60mm ダブル | 8+1BB | ¥35,000前後 | 2024年 | ハイエンド |
※表中の「BB」はボールベアリング数、「ローラー」はローラーベアリング数を示します(「5+1BB」は5個のボールベアリング+1個のローラーの意)。価格は平均的な通販サイトの税込価格を参考にしています。
いかがでしたでしょうか。今回はイカメタル用に人気のカウンター付きベイトリールを幅広く紹介しました。イカメタルゲームでは、適切なレンジに仕掛けを投入し続けることが釣果を伸ばすカギとなります。そのためにカウンター付きリールは非常に有用で、今や必須とも言える存在です。ぜひ本記事を参考に、自分にピッタリの一台を見つけてください。
最後までお読みいただきありがとうございました!これからイカメタルを始める方も、さらなるステップアップを目指す方も、信頼できる相棒リールとともに素敵な釣行をお楽しみください。
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