サワラ(サゴシ)ゲームでショックリーダーは欠かせない存在です。PEライン直結では即ラインブレイク…なんて経験、ありませんか?
この記事ではサワラキャスティングにリーダーが必須な理由から最適な号数・長さの選び方、「30lbで十分?」の答え、さらには最新のハイブリッド対策まで網羅。
初心者にも分かりやすく、解説します。リーダー選びに迷う方の参考になれば嬉しいです。
サワラにリーダーが必須な3つの理由
サワラキャスティングではリーダー(ショックリーダー)を必ず使用します。その主な理由は以下の3つです。
理由1: 鋭い歯からラインを守るため(サワラカッター対策)
まず何と言ってもサワラの鋭い歯への対策です。サワラは「サワラカッター」という異名を持つほど、ラインを切断する鋭い歯を持っています。特にPEラインは細くて弱いので、直接結ぶとちょっと歯が触れただけで簡単にスパッと切られてしまいます。実際、リーダーなしでサワラを狙うと高確率でルアーごと持っていかれるでしょう。
たとえフロロやナイロンの太めリーダーを使っていても、魚にルアーを丸呑みされ歯が直接当たれば簡単に切断されてしまいます。つまり、どんなに太いリーダーでも歯への直接攻撃は致命的なのです。だからこそ、少しでもラインが歯に触れるリスクを下げるために、ショックリーダー(太いフロロ/ナイロン)を入れておくことが必須になります。
理由2: 衝撃を吸収しファイト切れを防ぐため
PEラインは伸びがほとんど無く衝撃に弱い素材です。PEライン直結で魚を掛けると、ジャンプや突っ込みの衝撃を吸収できず結節部から切れやすいんです。一方リーダー(特にナイロン)は適度に伸縮しショックを吸収してくれるため、魚がヒットした瞬間の強い引きでもラインブレイクを防ぐ効果があります。
またキャスティングの際にも、PEラインだけだとキャスト時の瞬間的な負荷で高切れ(投げ切れ)を起こす危険がありますが、リーダーが付いていればその負荷を和らげてくれます。要するにショックリーダーは「クッション」の役割を果たしてくれるのです。これによってサワラの強烈なバイトやファイトでも、ラインシステム全体の強度を保ち、安心してやり取りができます。
理由3: ルアー操作性・結束強度アップ&トラブル減のため
最後に、ルアーの操作性と結束強度、そしてトラブル減少というメリットです。PEラインは細くて柔らかくコシが無いため、そのままルアーに結ぶと結び目が滑りやすくしっかり結束できません。実際、PEライン単体ではクリンチノットなどが緩みやすく、魚とのファイト中に解けてルアーをロスト…なんて悲劇も起こり得ます。
太いリーダーを間に挟むことで確実なノットが組めるため、結び目の強度が大幅に向上します。またリーダーを付けておけばラインに適度なハリが生まれ、ルアーの動きが安定したりキャスト時の糸絡み(エアノットやガイド絡み)も減少します。特にキャスト時、リーダーがないと軽いPEラインが風に煽られて絡みやすいですが、リーダーが適度な重みと張りを与えてトラブルを抑えてくれます。
さらにフロロカーボンリーダーなら水中で透明度が高く、魚に気付かれにくいという視認性のメリットもあります(※実際デュエルの「魚に見えないピンク」リーダーなど、魚から見えにくい色を採用した商品もあります。以上の理由から、サワラキャスティングではリーダーを使うのが当たり前と言えるのです。
“3分診断チャート”でわかるあなたの最適号数・長さ
「結局、自分には何号・何lbのリーダーが最適なの?」と悩む方のために、3分で分かる簡易診断チャートを用意しました。次の質問に答えてみてください。
- Q1: 狙うサワラのサイズや他魚種は?
A: 平均サイズ~中型メインなら→標準は30lb(約8号)がおすすめ。10kgクラスの青物(ブリなど)も混じる可能性があるなら35~40lb(10号前後)まで太くすると安心です。逆に50cm級のサゴシ主体で小型ルアー中心なら25lb(6~7号)程度まで落として食い渋り回避もアリ。 - Q2: サワラの活性や食いはどう?
A: 渋い状況・ルアーをなかなか食わない状況では、リーダーを細め(25lb前後)にするとルアーの動きがナチュラルになりヒット率が上がる場合があります。一方、入れ食い状態や活性が高いときは多少リーダーを太くしても食ってくるので、ロスト防止を優先して30lb超を使うのも手です。現場の状況に合わせて「太さ ↔ 食い」のバランスを調整しましょう。 - Q3: リーダーの長さ、どう決める?
A: 基本は1.5m前後が一般的に言われる長さですが、個人的にはやや短めの70-80cmにすることが多いです。短め(1m強)にすることでガイド絡みやエアノットが減ります。ただし短すぎるとリーダーに傷が入った際にその部分をカットしていくと残りが短すぎる!となり、ノットの組み直しなんてこともあるのでその点は注意です。要はキャストのしやすさと保険のバランスで1m前後の範囲内で調整すると良いでしょう。 - Q4: 「30lbで本当に大丈夫?」
A: はい、30lb前後で大抵はOKです。実はサワラキャスティングの第一人者たちも「30lbあれば十分」と口を揃えます。個人的にもPE1.5号+リーダー30lbの組み合わせで「リーダーが太すぎてサワラの食いが渋くなることもなく、10kg級ブリが掛かっても安心してやり取りできる」と思っています。むしろ過剰に太いリーダーはルアーアクションを損ないヒット率低下に直結します。現場でも30lbで問題なく数多くのサワラが釣られているので、まずはこの基準を信頼してOKです。
以上のQ&Aを踏まえれば、おおよその適合リーダーが見えてきたのではないでしょうか。まとめると:「基本は30lb・1m前後」、と覚えておけば簡単です。あとは実際に釣り場で試しつつ微調整して、自分のスタイルにピッタリの号数・長さを見つけましょう。
サワラキャスティングのリーダー素材&最新ハイブリッド対策
リーダーにはフロロカーボンとナイロンという2種類の素材があります。それぞれ特徴が異なりますが、サワラキャスティングではどちらが良いのでしょう?また、近年話題のハイブリッド対策(二段リーダーや結べるワイヤー、プロテクトチューブなど)についても解説します。
ナイロンは透明度が高くやや柔らかいが、フロロは水中で見えづらい代わりに硬めでコシがある。
リーダー素材はフロロ?ナイロン?その選び方
結論から言えば、フロロカーボンでもナイロンでも好みでOKというのが現場の声です。それぞれメリット・デメリットがあり、サワラ釣りではリーダー自体が短いため差が出にくいとも言われます。
- フロロカーボン(フロロ): 耐摩耗性が高く沈みやすい(比重が重い)、感度が良い、伸びが少ないという特性があります。歯による擦れにも若干強い傾向があります。ただし硬くて張りがある分、寒冷時に硬化したり結びにくい場合も。現在はサワラ用リーダーとしてフロロ使用率が高い傾向がありますが、これは「歯切れ対策=フロロが良さそう」というイメージによる部分も大きいでしょう。
- ナイロン: 柔軟で伸びが大きくショック吸収性に優れる、扱いやすい(トラブルが少ない)、そして安価なのが長所です。引っ張り強度自体はフロロと同等以上の場合もあり、寒さで硬くなりにくいため冬の釣りでもしなやかさを保ちます。一方でフロロに比べると比重が軽く水に浮きやすいので、沈めて使うジグでは糸フケが出やすい可能性があります。しかしサワラ釣りにおいてはフロロの耐摩耗性も歯には無力(齧られればどのみち切れる)ので、ナイロンのデメリットはあまり問題にならないとの指摘もあります。
実際、「ミノーにはナイロン、ブレードジグにはフロロで使い分ける」というアングラーもいるように 、ルアーや釣り方によって素材を変えるケースもあります。ただ繰り返しになりますが、サワラレベルの短いリーダーでは素材差はそれほど顕著に出ません。最終的には自分が信頼できる素材を選ぶのが一番でしょう。
歯切れ防止の最新ハイブリッド対策あれこれ
サワラの歯対策として、通常のリーダーを太くするだけでは限界があります。そこで近年注目されるハイブリッド対策をいくつか紹介します。
- 二段式“バイトリーダー”システム: 通常のリーダー先端にさらに極太のショートリーダーを結束する方法です。たとえばPE本線→30lbリーダー1.5m→80lbナイロン約30cm→ルアー、といった二段構えの仕掛けにします。
先端だけ極太にしておけばルアーの動きを妨げずに歯対策できますし、傷んだら太い先端部だけ交換すれば良いので効率的です。この先端用リーダーを特に「バイトリーダー」と呼び、既製品も存在します(後述のがまかつ「ファイティングリーダー」などはこの二段式リーダーシステムの商品です。実際、新潟東港などサワラが入れ食いになる地域では80〜100lbのショートリーダーを事前に何本も作っておき、時合い中に素早く付け替えるなんてこともあるそうです。二段式は歯対策+時短を両立する合理的な工夫と言えます。
- 結べるワイヤーリーダー(ハイブリッドライン): サワラやタチウオ対策でワイヤーリーダーを使うと歯切れを防げる確率は減りますが、その反面「極端にアタリが減る」という欠点があります。多くの船長も「サワラ狙いにワイヤーは勧めない」と語るほどで、よほど入れ食い状態でもない限り使用は避けた方が無難です。しかしどうしてもロストを避けたい場合の妥協策として、「結べるワイヤー」という商品も登場しています。例えばステンレス極細ワイヤーにケブラー繊維を編み込んだハイブリッドラインなどで、従来のワイヤーより格段に柔軟でノットも直接結べるのが特徴。これならスリーブ圧着不要で通常のリーダー感覚で扱えます。実際、これらを使って「ワイヤーでも普通に釣果が出た」という報告もあります(状況次第ではワイヤーでも釣れるケースがあるようです。結べるワイヤーは食いの悪化を最小限に抑えつつ歯切れを防ぐ中間的な選択肢として覚えておくと良いでしょう。
- プロテクトチューブ装着: 一番手軽に試せるハイブリッド対策がリーダーへのチューブ装着です。市販のウレタン製「プロテクトチューブ」をリーダー先端部に被せてしまう方法で、ノット部分やルアー直上の20~30cmのリーダーを物理的に補強します。透明なチューブなので魚にも違和感を与えにくく、歯が当たってもチューブが盾となってリーダー本体へのダメージを軽減します。実際に「チューブ付きリーダー」を試したアングラーからも「確かに切られにくくなった」と好評です。詳細な装着方法は後述しますが、ワイヤーほど食いを落とさずに歯対策する手段として非常に有効なので、ぜひ一度試してみる価値ありです。
- こまめにリーダーチェック:意外と怠ってはいけないのがこまめなリーダーチェックです。特にサワラを釣り上げた後は必ずチェックしましょう。高確率でリーダーがサワラの歯で傷ついてボロボロになっているはずです。その際は、傷ついた部分だけをカットしてあげればOKです。
以上のように、リーダー素材とハイブリッド対策を組み合わせることでサワラカッターへの備えは格段に向上します。基本はフロロorナイロン+30lb前後としつつ、状況に応じて二段リーダーを追加したり、チューブで補強したりしてみてください。もちろん「それでも不安だ!」という場合は最終手段としてワイヤーリーダーを検討しても構いませんが、その際はヒット数低下を覚悟しましょう。まずはワイヤー以外の工夫でどこまで対応できるか、ぜひ挑戦してみてください。
サワラキャスティングのシーン別おすすめリーダー10選
それではいよいよ、具体的なおすすめリーダー製品をシーン別に紹介します。ここではフロロ・ナイロンの人気定番から、歯対策に工夫された特殊リーダーまで 10種類 を厳選しました。初心者でも扱いやすいもの、実績十分なものを中心にピックアップしていますので、ぜひリーダー選びの参考にしてください。
デュエル/ハードコアⓇ X4 プロ(見えないピンクフロロ)
サワラハンター達に密かに人気の「魚に見えないピンク」リーダーです。その名の通り人間にはピンクに見えるが水中では魚に見えにくい特殊カラーを採用し、科学的エビデンスもあるとか。素材は高分子フロロカーボン100%で適度な柔軟性と粘りがあり、結節強度・耐摩耗性も申し分なし。
特に30lbはサワラキャスティングの基準としてジャストな太さで、「30lbで十分?」という問いに実績で答えてくれる一本です。クリアな海で食い渋りが気になる時や、少しでも視認性を下げてヒットを増やしたいシーンにおすすめできます。
私もリーダーは色々と試しましたがホームの伊勢湾で、見えないピンクフロロの30lb使用に落ち着きました。
バリバス/ショックリーダー[フロロカーボン]
言わずと知れたショックリーダーのド定番がこちら。長年多くのアングラーに愛用され、「とりあえずコレ使っとけば間違いない」とまで評される安定感が魅力です。
高感度・低伸度でルアー操作性に優れ、独自のノンストレスコーティングにより耐摩耗性も確保。扱いやすさも抜群なので初心者にもおすすめできます。
サワラ狙いなら8号(30lb)を基準に、状況で10号程度まで用意すると安心。ちなみに同シリーズにはナイロン版もあり、こちらも「昔からコレ一筋」というファンが多い名品です 。フロロ・ナイロン両方持っておけばオールラウンドに対応できます。
ダイワ/ソルティガ リーダー タイプF
ダイワのフラッグシップ「ソルティガ」ブランドから出ている高品質フロロリーダーです。しなやかさと強度のバランスが良く、フロロにしては結びやすいと評判。
耐摩耗性・低伸度・高感度といったフロロ特性はもちろんサワラゲームに◎。また「どこでもストッパー」機能が付いており、ラインがバラけない工夫も地味に嬉しいポイント。
取り回しの良さを求める中級者以上にも満足できる仕上がりです。サイズは8号(30lb)が基準ですが、サワラ混じりでブリも…という海域では10号(40lb)も視野に入れ、状況対応力重視の方におすすめします。
サンライン/システムショックリーダーFC
国産ラインメーカーの老舗・サンラインが誇る定番フロロショックリーダーです。フロロならではの高耐摩耗性と低伸度による高感度を備えつつ、しなやかで粘りもある絶妙な糸質に調整されているのが特長。そのおかげでショック吸収性も高く、誰が使っても扱いやすさを実感できる完成度になっています。
実績と信頼重視で選ぶならまず候補に入れたい一本でしょう。迷ったらコレ、と自信を持っておすすめできます。
シマノ/オシア リーダー EX フロロ
シマノが展開するオフショアハイエンド向けフロロカーボンリーダーです。特徴はなんといっても独自の2層構造。硬いフロロのコアに柔軟なフロロ外装を組み合わせることで、結束強度の弱点を克服しつつ高強度を実現しています。
要するに「硬いけど切れない、しかも結び目はしっかり強い」という夢のような性能を持ったリーダーなのです。実際カタログスペックでも平均強力が同号数の一般品より高く、サワラはもちろん大型マグロやGTまで対応するスペックを誇ります。
サワラ用としては少しオーバースペック気味ではありますが、「絶対に切られたくない!」というシーンでは心強い味方です。お値段は張りますが、最強の安心感を得たい方におすすめします。
ダイワ/ディーフロン 船ハリス 200FX
コスパ重視派にぜひ検討してほしいのがこの大容量フロロハリスです。元々船釣り用のハリス(幹糸)として開発された製品ですが、実はサワラキャスティング用リーダーとしても優秀。同社船ハリスシリーズ中で最もしなやかに作られており、太くても結びやすいのが長所です。
加えて200m巻きという大容量なので、惜しみなくどんどんリーダー交換できるのも利点。消耗品と割り切って頻繁に交換したい方、とにかくコストパフォーマンスを重視したい方に向いています。強度表示はやや控えめなので、サワラ用なら8号(約30lb)以上を選びましょう。ヘビーユーザー御用達の裏技的リーダーです。
YGKよつあみ/X-BRAID FCアブソーバー スリム&ストロング
よつあみ(YGK)のX-BRAIDブランドが送り出す高品質フロロリーダー。プロアングラーからの支持率も高い人気モデルです。
特徴は従来比1.2倍の直線強度とスリム化された径。つまり同じ太さでもより強く、同じ強さならワンランク細い糸が使えるという優れものです。
ノット強度も自慢の製品で、「細いものを使って釣果アップを狙うのもアリ!?」なんて売り文句も。サワラ狙いでも例えば通常30lb使うところを24lbに落としてみる、といった攻めの選択ができそうです。細さと強さの両立を求める上級者向けですが、もちろん標準的な太さを選んでも安心感は折り紙付き。ヒットが遠のいたときの切り札として一本持っておくと頼りになります。
バリバス/オーシャンレコード ショックリーダー(ナイロン)
ヒラマサキャスティングで名を馳せた田代誠一郎氏監修のハイグレードナイロンリーダー。最近オフショアで大人気の製品で、同号数の一般品よりワンランク上の強度を誇ります。
適度なコシを持たせつつショック吸収力は高く、ラインシステムの組みやすさやガイド抜けの良さにも配慮された設計。要するに「切れにくいのに扱いやすい」という嬉しい性能なんです。ナイロン製なのでサワラキャスティングでのメリット(柔軟さ、寒冷適応性)はそのまま享受できますし、何より強度が高いので信頼感があります。
サワラ狙いでナイロンを使ってみたい方や、ショックリーダーはナイロン派!という方に最適です。特に大型が掛かる可能性があるシーンで真価を発揮してくれるでしょう。
よつあみ/キャストマン アブソーバー(ナイロン) 30lb
こちらはYGKのナイロン製ショックリーダー。特殊ナイロン「スーパーブロン」を使用し、一般ナイロンよりも衝撃吸収力・柔軟性が高められているのが特徴です。そのおかげでショートリーダーでもラインブレイクやバラシの軽減に貢献し、結び目への負担も減らしてくれます。
実際使ってみると分かるのですが、ナイロン特有の伸びを活かしつつもダルさを感じない絶妙なハリがあり、ファイト中の安心感が抜群です。
サワラキャスティングではフロロよりナイロン派の方にぜひ試していただきたい一本。例えばトップ系ミノーで表層を攻める際など、ナイロンの浮力とショック吸収を活かしたいシーンにピッタリです。「細くても切れにくいナイロン」として、陰ながら人気を支える存在となっています。
がまかつ/ファイティングリーダー(22号/30号)
サワラの歯切れ対策としてユニークなアプローチをした二段式リーダーシステムです。約30cmのショートリーダー(バイトリーダー)にスナップスイベル付きのループがセットされており、手持ちのリーダーと電車結び(ループtoループ)などで直結する仕組み。
スリーブ圧着済みで水中抵抗を極限まで減らす設計になっており、結び目が少ない分トラブルも激減します。現場では通常のリーダー先端にこれを付け足すだけでOKなので、極太リーダーを素早く追加できるメリットがあります。30cmと短いのでルアーの動きを邪魔しにくく、歯に当たって傷んでも先端だけ交換できて経済的でもあります。
号数は22号(約88lb)と30号(約120lb)から選択可能。入れ食い時のロスト激減に大きく貢献するアイテムです。
以上、シーン別に10種類のリーダーを紹介しました。いずれもサワラキャスティングで定評のあるものばかりです。それぞれ得意なシチュエーションがありますので、「自分の釣り方や状況」に合いそうなものを選んでみてください。複数試してみることで、自分にベストな一本が見えてくるでしょう。
サワラキャスティングのおすすめノットは?
リーダーを使いこなすには、正しいノット(結び方)もマスターしたいところです。ここではPEラインとリーダーの結束方法、そしてサワラ対策の切り札であるプロテクトチューブの使い方も合わせてご紹介します。
オススメのノットはFGノット
サワラキャスティングではキャスト頻度が多くファイトも激しいため、PEラインとリーダーの結束ノットは強度・信頼性の高いものを選びましょう。
最もおすすめなのはFGノットです。FGノットは細いPEを太いリーダーに巻き付けて締め込む構造で、強度・細さともトップクラス。ガイド抜けも良く、現在オフショアキャスティングでは定番中の定番です。しっかり組めればほぼ100%近いライン強度を引き出せるとも言われています。
具体的なFGノットの手順はここでは割愛しますが、ポイントはしっかり編み込んでしっかり締め込むこと。編み込み回数はPEの号数やリーダー太さによりますが、サワラ用(PE1.5号±、リーダー30lb±)なら本線編み込み20回前後+ハーフヒッチ数回で十分でしょう。
最後は焼きコブ(PE端をライターで玉止め)を作って抜け防止すれば完璧です。
おすすめスナップやリーダーとの結束は?
なお、リーダーとルアーの結束についても触れておきます。一般的にはスナップを介してルアー交換を容易にする方が多いでしょう。手返し優先でリーダーに直接スナップ付きスイベルを結ぶと便利です。
結び方はリーダーが太いのでクリンチノット(5回巻き程度)やユニノットでしっかり締めれば問題ありません。フロロなら結節強度が若干落ちるので、潤滑剤(唾液など)をつけてゆっくり締め込むのがコツです。結び替えのたびにリーダーが短くなっていくので、傷んだら余裕を持って付け替えるようにしましょう。
プロテクトチューブの使い方:簡単装着で歯切れ激減!
最後に、サワラカッター対策の切り札「プロテクトチューブ」の使い方をガイドします。これは前述したようにリーダー先端に透明チューブを被せて保護するものです。やり方はとても簡単なので順を追って説明します。
図: プロテクトチューブを装着したリーダーシステムの例。 スイベル直後から数センチのリーダーに太めのチューブ(1.5mm径)を被せ、その先のリーダー部分に細めのチューブ(0.8mm径)を挿入して二重に補強している。サワラの歯が当たりやすい結節部とその少し先までをカバーすることで、ラインブレイクを防止する。
- チューブを用意する – 釣具店でウレタン製のリーダープロテクトチューブ(歯物対策用チューブ)を購入します。外径や内径でサイズがありますが、一般的なサワラ用リーダー(8〜12号程度)には内径2〜3mm前後のものが適合します。市販品には長さ1〜5m程度のチューブが巻きで売られているので、一つ持っておけばかなり使えます。
- チューブをカットする – 適切な長さにチューブをカットします。おすすめは20〜30cm程度。サワラのサイズにもよりますが、歯が当たるのは主にルアー直上〜その少し上くらいなので、その範囲をカバーできる長さが理想です。短すぎると保護範囲が狭まり、長すぎるとキャストやルアーアクションに影響が出るので、まずは25cm前後で試してみると良いでしょう。
- リーダーに通す – リーダー(ショックリーダー)にルアーやスイベルを結ぶ前に、先ほど切ったチューブ片を通しておきます。チューブの内径がリーダーより少し大きめならスルスル通せますが、きつい場合はリーダー先端を斜めにカットすると通しやすいです(それでも通らなければチューブサイズを上げましょう)。
- ルアー(またはスイベル)を結束する – リーダー先端にルアー直結かスナップ付きスイベルを結びます。ノットはユニノットやクリンチノットで構いません。結び終わったらしっかり締め込み、余った端糸を短くカットします。
- チューブを移動させる – 結び目が出来たら、先ほど通しておいたチューブをリーダー先端側にずらしていき、結び目を覆う位置まで持ってきます。理想的には結節部(ノット部分)を中心に、その上下数センチずつぐらいをチューブがカバーする状態です。こうすることで結び目周辺のリーダーが全てチューブで覆われ、サワラの歯が当たっても直接ラインにダメージが及びにくくなります。
以上でプロテクトチューブ装着は完了です。とても簡単ですね!ポイントは「長めのチューブで広範囲を覆う」こと。実際にやってみると分かりますが、チューブがあるだけでかなり安心感があります。サワラがヒットした後、リーダーにチューブの切れ痕が残っていても中のラインは無事ということが何度もありました。チューブ自体が消耗したら新しいものに交換すればOKなので、コスト面でも経済的です。なお、チューブの材質はウレタンがおすすめです。適度な柔軟性と耐久性があり、扱いやすいからです(収縮チューブなどは硬くなりすぎるのでNG)。
プロテクトチューブを付けるとルアー付近がやや太くなりますが、透明なので水中ではほぼ目立ちませんし、筆者の経験上魚の反応が悪くなったこともありません。むしろサワラを掛けた後に「チューブ付けといて良かった~!」と思うことばかりです。ぜひ皆さんもこのお手軽歯切れ対策を活用して、サワラカッターの被害から大切なルアーを守ってください。
FAQ(よくある質問)
Q1:30lbリーダーで本当に大型サワラや青物に対応できますか?
A:はい、30lb程度で大抵対応可能です。多くのベテランもサワラ狙いでは30lb前後を標準にしています。実際10kgクラスのブリがヒットしても30lbリーダーで問題なくやり取りできた例があります。むろんドラグ調整ややり取り技術も必要ですが、過度に太くするより30lb前後で食いを優先したほうがトータルの釣果は上がるでしょう。
Q2:ワイヤーリーダーはやっぱり使わないほうがいいですか?
A:基本的には非推奨です。サワラの活性が低いときは特にワイヤーで極端に食いが落ちることが多く、船長もまず勧めません。ただしナブラ打ちで入れ食い状態など高活性時にはワイヤーでも釣れる場合もあります。それでも普通のフロロ/ナイロンリーダーよりヒット数が減りやすいのは事実なので、最後の手段と考えましょう。それよりは本記事で紹介したバイトリーダーやチューブでの歯対策を試すことを強くおすすめします。
Q3: フロロとナイロン、初心者にはどっちが扱いやすい?
A: フロロで良いと思います。ナイロンは柔らかくしなやかで結節も容易、根ズレ以外のトラブルが少ないですが主流はフロロであることも確かです。迷ったらまずフロロ30lbを使い、難しさを感じたらナイロンに替えてみる…という方法も良いでしょう。
Q4: リーダーはどれくらいの頻度で交換すべき?
A: サワラがヒットしたら毎回チェック&必要なら交換が鉄則です。サワラに限らず魚を掛けるとリーダーには傷が入ります。特にサワラの場合、ヒット時やファイト中に歯が当たっていれば目に見えない傷でも次の一撃で切れる可能性が高いです。釣り上げた後やバラシた後、チェイスがあった後でもリーダーを指で触ってザラつきがないか確認しましょう。少しでも傷があれば迷わず結び直すべきです。目安として、サワラ1本釣るごとに10〜20cmは先端を詰めるくらいの気持ちで。リーダーが短くなりすぎたら交換時期です。また、長時間の使用で劣化も進むので釣行ごとの交換が理想ですが、最低でも数回釣行に一度は新品に替えるようにすると安心です。
Q5: プロテクトチューブを付けるとルアーの動きに影響ありませんか?
A: 個人的に推奨しませんがよほど繊細なルアーでない限り影響は僅かの印象です。例えばミノーなどではチューブの硬さでアクションが抑制される可能性もありますが、サワラキャスティングで使うようなブレードジグや大きめのルアーであれば問題ありません。むしろチューブの僅かな重みが糸ふけを減らし安定する効果も期待できます。何より歯で切られてルアーを失うリスクと比べれば、チューブ装着のメリットは非常に大きいです。気になる場合は短めチューブから試し、違和感なければ長めにするなど調整すると良いでしょう。
Q6: サワラカッター以外に気を付けるべき点は?
A: サワラキャスティングでは歯切れ(サワラカッター)対策が最重要ですが、他にも船べりでのラインブレイクに注意しましょう。ファイトの最後に魚が船底に突っ込むことがあり、リーダーが船の縁に擦れると簡単に切れてしまいます。リーダー長が短いとPEライン部分が当たってしまうのでより致命的です。対策として、魚が船下に潜りそうになったらロッド操作で回避するか、大きく身を乗り出してライン角度を調整するなど工夫しましょう。リーダー自体の強度とは別に、物理的な接触トラブルにも気を配ることでキャッチ率が上がります。
サワラキャスティング用おすすめリーダーまとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。今回はサワラキャスティングにおけるリーダーの重要性と選び方について、かなり踏み込んで解説してきました。内容盛りだくさんでしたが、おさらいするとポイントは以下の通りです。
- PE直結は厳禁! サワラの鋭い歯とPEラインの脆さから、ショックリーダーは必須(歯対策・衝撃吸収・結束強度アップのため) 。基本的に30lb前後・1m程度のリーダーを入れましょう。
- 「30lbで十分?」 → YES。多くの実績が示す通り30lbで問題ありません。むしろ太くしすぎるとヒット率低下の恐れあり。状況に応じて25〜40lbの範囲で微調整を。
- 素材はフロロorナイロン、好みでOK。それぞれ長所短所あるが、短いリーダーでは差は小さい。扱いやすさ重視ならナイロン、人気や定番で選ぶならフロロが無難。
- 歯切れ対策は工夫次第! 二段式リーダー(バイトリーダー)で先端だけ極太にする、プロテクトチューブでノット部を補強する、結べるワイヤーで食いを落とさず強度アップを狙うなど手段いろいろ。ワイヤー直使用は原則避け、ハイブリッド対策で乗り切ろう。
- 結束ノットはFGノット推奨。 強度重視で確実に結ぶ。急ぐ場面では電車結び等でもOK。釣行前にノットの練習をしておくと安心。
- リーダー製品選びは、実績ある定番から自分のスタイルに合ったものを。おすすめ10選を参考に、まずは信頼できる一本を手に取ってみよう。
- こまめなチェック&交換を怠らない。ヒット毎にリーダーを確認し、傷があればすぐ結び直す。備えあれば憂いなし!
サワラキャスティングではリーダーが運命を握ると言っても過言ではありません。しっかりとしたリーダーセッティングと対策で挑めば、あの痛恨のサワラカッターも恐れるに足りません。ぜひ今回の内容を踏まえて、ご自身の最強リーダーセッティングを作り上げてください。
「切られても悔しくない、いや切られない!」そんな境地に達すれば、あとは思いっきりサワラゲームを楽しむのみ。あなたの釣果アップと大物ゲットを祈っています。さあ、万全の準備で秋の荒食いサワラに挑みましょう!健闘を祈ります。
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