サワラ（鰆）は、日本各地の沿岸を回遊する人気の釣魚です。その俊敏な動きと強い引きで釣り人を魅了し、美味で高級魚としても知られています。小型のものは「サゴシ」と呼ばれ、諸説ありますが成長して約70cm以上になると「サワラ」と名前が変わる出世魚（成長に伴い呼び名が変わる魚）でもあります。
年間を通して狙えますが、特に春と秋はサワラが沿岸に接岸しやすく、多くのアングラーで賑わうハイシーズンです。春先には小魚を追って湾内に入り込み、秋には水温が下がり始める頃に再び接岸するため、これらの時期は絶好の狙い目となります。
今回は、そんなサワラ釣りの魅力と基本情報に触れつつ、初心者にも分かりやすく経験者にも役立つ最強ルアーの選び方とコツをご紹介します。これを読めば、きっと釣果アップ間違いなしです！
サワラ釣りの最強ルアーと選び方のコツ
サワラの釣り方の種類
サワラ釣りには、大きく分けて船から狙う方法（オフショア）と岸や堤防など陸から狙う方法（ショア）があります。岸や堤防（陸っぱり）では遠投性能の高いルアーを使って沖のサワラにアプローチしますが、自分の立ち位置は固定されるため、回遊してきたサワラを待つ形になります。
一方、船からの釣りでは魚のいる場所へこちらから近づけるのが大きな利点です。特に、海面で小魚が捕食されて水面が騒つくナブラが発生したら、船でその近くまで移動してルアーを投げ込む「ナブラ打ち」で一気にヒットのチャンスが高まります。
船釣りではこのナブラやサワラジャンプ（サワラの跳ね）を追いかける釣り方が主流で、次々とポイントを移動しながら効率的にサワラを狙えます。
釣り方によって選ぶルアーが異なる
サワラは釣り方に応じて効果的なルアーが異なり、ルアーのカラーやサイズ、重さの選び方も重要になります。
主に①ブレードジギング、②ミノーを使った釣り、③船でのバーティカルなジギングという3つのアプローチがあります。
それぞれの特徴に合わせて最適なルアーを選びましょう。
①ブレードジギングを使った釣り:
ブレードジグとはメタルジグの後部に回転するブレード（スピナー）が付いたルアーで、投げて巻くだけでブレードがキラキラと光り振動を起こします。
このアクションがサワラに非常に効果的で、近年サワラ狙いでは大流行中の釣法です。陸っぱりでもオフショアでも使えますが、特にただ巻き（一定速度で巻く）で簡単にアピールできるので初心者にも扱いやすいのが魅力です。
カラーはベイトフィッシュ（イワシなど）の色に似せたシルバーやブルーが定番ですが、朝夕や濁りがある時はピンクやチャート（黄緑）など高アピール色も有効です。
サイズ・重さは遠投したい場合や潮流が速い場合は重め（例えば30～60g）を、表層近くを狙うなら軽め（20～30g程度）を選ぶと良いでしょう。
②ミノーを使った釣り:
ミノーとは小魚の形をした細長いプラグ系ルアーで、水面近くを泳がせてサワラを誘う釣り方です。サワラが表層付近でナブラを起こしているような状況では以下のようなミノーの出番です。
ミノーはロッド（竿）を操作してジャーク（竿をしゃくる動作）することで左右に鋭くダート（ジグザグに泳ぐ動き）し、まるで負傷した小魚が逃げ惑うようなアクションを演出できます。これにより活性の高いサワラはもちろん、ブレードジグには反応しにくい時でもスイッチが入りやすくなります。
ジャークより小刻みに首を振らせる場合はトゥイッチというロッド操作もあります。
ミノーのサイズはベイトの大きさに合わせるのが基本で、サワラ狙いでは全長12～15cm程度のものが扱いやすく実績も高いです。
カラーはナチュラル系（ブルーイワシやシルバー）で自然に見せたり、あるいはアピール系の派手色で目立たせたり、状況に応じて使い分けましょう。
③船でのバーティカルなジギング:
船釣りの場合、サワラが中層～ボトム付近にいるときは以下のようなメタルジグを真下に落として狙うバーティカルジギング（縦のジギング）が有効です。魚群探知機でサワラの反応があるタナ（深さ）までジグを沈め、ロッド操作でシャクってルアーにアクションを加えます。
サワラは非常に泳ぐスピードが速い魚なので、ジグを素早く上下させるハイピッチジャークでリアクションバイトを誘ったり、ジグを回収中にヒットなんてこともあります。ただし、あまりにも速い動きに反応しないときはスローな誘いに切り替える柔軟さも必要です。
使用するジグの重さは水深や潮の流れに合わせますが、バーティカルジギングの時は水深50-100mの近海である事が多いと思うのでジグの重さも100〜200gを状況次第で使い分けます。比較的浅場でサワラが回遊しているときは軽めのジグでヒラヒラと見せたほうが食いが良いこともあります。
カラーリングは定番のナチュラル系、シルバーに加え、深場狙いでは光を反射しやすいホログラムや夜光（グロー）塗料入りのものも効果的です。
ブレードジギングの最強ルアー
ここからは私の経験をもとに各種ルアー毎に１つずつ最強ルアーをご紹介します。
まずブレードジギングです。特に人気が高い最強ルアーとして、タングステン製のメタルマジックTGと鉛製のジャックアイ サワラスピンがあります。
タングステン製ルアーは比重が重く小型のシルエットにできるため、高速で巻いても水切れが良く安定して泳ぎます。メタルマジックTGはそのコンパクトなボディゆえ遠投性能も抜群で、表層から中層までただ巻きで「まっすぐ・スピーディー」に泳がせることが可能です。
キラキラと輝くテールブレードが小魚のようにサワラを惹きつけ、活性が高い時はもちろん、小さなベイト（マイクロベイト）に付いている渋い状況でも釣果を出せると評判です。ただし高価なのが難点ですが、「どうしても一本釣りたい！」という勝負所では心強い相棒になるでしょう。
30gか40gが定番です。カラーは、個人的にゼブラグローやピンクゼブラグローが好きです。
一方、鉛製のジャックアイ マキマキ サワラスピンは手頃な価格と扱いやすさから、サワラ専用設計のブレードジグとして高い人気を誇ります。
“巻くだけでOK”をコンセプトに掲げており、その名の通りただ巻きするだけでしっかりとテールのブレードが回転してアピールします。鉛製ですがボディは比較的スリムに作られており、タングステン製に比べ若干大きめとはいえ十分コンパクトです。
また、超高速巻きでも引き抵抗が軽くなるよう設計されているため、長時間巻き続けても疲れにくいのも嬉しいポイントです。ブレード部分にはホログラムシートが貼られており強烈にフラッシングし、さらに標準で太軸フック（牙の鋭いサワラにも伸ばされにくい頑丈な針）が搭載されているなど、細部までサワラゲームに特化した仕様になっています。
カラーラインナップも豊富なので、その日の水色や天候に合わせて使い分けられるのも魅力です。私は断然、シルバー青夜光ゼブラカラーが好きです。
こちらも30gか40gが定番です。
ブレードジグについてはマイクロベイトパターンに備えてタングステンと鉛の両方を揃えておくと良いでしょう。
ミノーの最強ルアー
サワラ狙いのミノーとしてぜひ押さえておきたいジャーキングミノーの最強ルアーが以下のブローウィン140Jです。
BlueBlue社から発売されているこのルアーは、全長14cm級のミノーでありながら重さが26gと比較的ヘビーウェイトに作られており、抜群の飛距離を叩き出せます。
本来はボートからのサワラキャスティングゲームで開発されたモデルですが、その飛距離性能とアクションの強さから沖堤防やサーフ（砂浜）からの釣りでも威力を発揮します。
ブローウィン140J最大の特徴は、「ジャーキング専用モデル」と銘打たれている通り、ロッドでジャークアクションをつける前提で設計されている点です。
このミノーを使う際は、ただ巻きよりもロッドをしゃくってアクションさせましょう。ジャークを入れるたびに左右に素早くダートし、時折フラッと不規則な動きを見せることで、捕食スイッチが入りづらいサワラにも思わず口を使わせる効果があります。
止めている時にはゆっくり沈むシンキングタイプなので、一旦沈めてから狙いたいレンジでジャークすることも可能です。活性が高く表層でバイトが出るときは連続ジャーク＆短いポーズで誘い、魚が沈み気味のときはしっかり沈めてから大きくジャークして中層で食わせる、といった応用も効きます。
ブローウィン140Jは飛距離、アクションのキレともにトップクラスで、サワラだけでなくヒラマサやブリなど他の青物にも有効な実績がある万能ミノーです。一本持っておけばここぞという場面で活躍してくれるでしょう。
カラーバリエーションも多いです。ただ難点が手に入りづらいという事でしょう。釣具店で売られてもすぐになくなってしまいます。
もう一つオススメしたいミノーはサゴシチューンです。こちらはトゥイッチで良く多用します。
カラーはサゴシのエサがおすすめです。
その他、以下の記事にサワラ向けミノーをまとめてありますのでそちらも参考にして頂ければと思います。
バーティカルジギングでの最強ルアー
オフショアのジギングや遠投が必要な場面で頼りになる普通のメタルジグとして、ダイワのTGベイトが最強候補に挙げられます。
TGベイトは高比重のタングステン素材を使用しているため、同じ重さの鉛製ジグよりも小型でコンパクトなシルエットを実現しており、潮流の影響を受けにくく、素早く狙いたいレンジまで沈めることが可能です。
サワラは時として小さなベイト（マイクロベイト）に依存することがあり、そのようなシチュエーションではTGベイトのようなコンパクトなボディのジグが圧倒的な強さを発揮します。
また、TGベイトの最大の特徴はそのアクション性能にあります。スローな誘いでもしっかりと水中でヒラヒラとアピールし、速めのジャークを加えるとメリハリのあるキレの良い動きが生まれます。特に、フォール時（ジグが沈むとき）には水平に近い姿勢でスライドし、弱ったベイトを演出し、沈める途中でのバイト（食いつき）も多発します。
サワラはリアクションバイト（反射的な食いつき）が多い魚ですが、TGベイトなら速巻きにもスローな誘いにも対応できるため、さまざまな状況で使いやすい万能ジグと言えるでしょう。
サワラ狙いでTGベイトを使用する際は、狙うレンジに応じてジグの重さを選ぶのが重要です。浅場やサワラが表層付近を回遊している場合は40g前後、中層～深場狙いでは100〜150gのモデルを選択すると良いでしょう。
カラーについては、ベイトフィッシュに似せたブルー系・シルバー系が定番ですが、濁りが入っているときやアピール力を重視する場合は赤キン、ミドキン、ピンク・グロー系も効果的です。
TGベイトは、スロージギングにも速巻きにも対応し、サワラを始めブリやヒラマサなどの青物全般に効果的なジグです。特に、「通常のジグでは食わないけれど、TGベイトには反応した」というケースも多く、ベイトサイズが小さい時に圧倒的な強さを発揮するため、1本持っておくと釣行時の武器になるでしょう。
値段が高いのが痛いところですが…
私は赤金カラーの150gもしくは180gを多用してます。
サワラカッターに注意しよう
サワラ釣りで忘れてはならないのが、いわゆる「サワラカッター」と呼ばれるライン切れへの対策です。サワラの鋭い歯は、一瞬触れただけでもリーダー（ハリス）をスパッと切ってしまうほど鋭利です。
せっかくヒットしても、歯が当たってラインブレイク…という悔しい経験をした釣り人も多いでしょう。これを防ぐためには、リーダーを太めのものにしておくことが有効です。
一般的には30～40ポンド（8号前後）程度のフロロカーボンリーダーが推奨されます。フロロカーボンは耐摩耗性が高く、多少歯が当たっても切られにくい性質があります。
ただし、どんなに太いリーダーでも絶対に切られない保証はないため、ヒットがあったら都度リーダーに傷が入っていないか確認し、傷ついていたら結び替えるようにしましょう。
あとはテーパーリーダーを使用したり、より確実にライン切れを防ぎたい場合は、ワイヤーリーダーを使用する手もあります。市販のサワラ用ワイヤーリーダーや、太刀魚（タチウオ）用の細めのワイヤーハリスを流用する方もいます。
最近では柔らかくコーティングされたワイヤーリーダーも登場しており、ルアーの泳ぎや魚からの視認性への影響を抑えつつ歯切れを防止できるものもあります。
ただし、ワイヤーはフロロに比べるとどうしても見えやすく硬い分、食い渋る状況では敬遠される可能性もあるため、状況に応じて使い分けると良いでしょう。
基本的には太めのフロロリーダーで対応する、というスタンスがおすすめです。
私のおすすめはデュエルの魚に見えないピンクフロロの30lbです。
サワラ釣りの最強ルアーのまとめ
最後に、本記事の内容を振り返ると、サワラ釣りに最強なルアーと選び方のコツについて以下のような内容をご紹介してきました。
- サワラの釣り方の種類
- 釣り方によって選ぶルアーが異なる
- ブレードジギングの最強ルアー
- ミノーの最強ルアー
- バーティカルジギングでの最強ルアー
- サワラカッターに注意しよう
サワラはスピードとパワーに富んだ青物であり、その習性に合わせたルアー選びが釣果アップの鍵になります。手軽で効果抜群のブレードジグは、タングステン製のメタルマジックTGや鉛製のジャックアイ サワラスピンといった最強ルアーを用意しておけば鬼に金棒です。
ミノーを使った釣りでは、ブローウィン140Jのような飛距離とアクション性に優れたルアーが活躍し、活性が上がらない状況でも思わぬ一発を引き出してくれるでしょう。さらに、縦ジギングには信頼性抜群のTGベイトのようなジグを投入し、中層～深場にいるサワラを引きずり出しましょう。
どのルアーにも共通して言えるのは、「サワラカッター」対策としてリーダーを太めにしておくことの重要性です。せっかくかけた獲物を逃さないよう、万全の準備で挑みたいですね。初心者の方も最初は難しく考えすぎず、まずは実績の高いルアーを信じて投げてみてください。経験者の方も改めて基本に立ち返ってルアーセレクトやタックルバランスを見直せば、新たな発見があるかもしれません。
サワラ釣りは、爆発的な引きとエキサイティングなトップゲームが魅力です。最強ルアーたちを味方につけて、ぜひ次の釣行でサワラとのスリリングなファイトを楽しんでください！これで釣果アップ間違いなし！
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