最近、サワラ(鰆)をルアーで狙う“サワラキャスティング”が釣り人の間で大ブームとなっています。特に伊勢湾など近海エリアでは、ナブラ撃ちの爽快感もあって人気急上昇中で挑戦するアングラーも右肩上がりで増えています。
とはいえサワラ用の専用ロッドは高性能ゆえに高価格なものが多く、初心者にはハードルが高いのも事実…。そんな中、「高性能=高価格」という常識を覆す救世主として登場したのが クレイジーオーシャン の 「オーシャングレイブ サワラ」 シリーズです。 高品質ながら価格は1万円台と手に取りやすく、これからサワラゲームを始めたいエントリー層の強い味方になってくれます。
本記事では、サワラキャスティング入門者に向けてオーシャングレイブ サワラの特徴と2機種(OG-S70MLとOG-S75M)の違いを解説し、初心者でも失敗しないロッド選びのポイントをご紹介します。「専用ロッドって何を選べばいいの?」という方はぜひ参考にしてみてくださいね。
その他のサワラキャスティングにおすすめのタックルは以下の記事も参考にしていただければと思います。



オーシャングレイブ サワラのインプレ
出典:クレイジーオーシャン公式ホームページ
「オーシャングレイブ サワラ」は、ソルトルアーブランドのクレイジーオーシャンから発売されたサワラ専用キャスティングロッドシリーズです。クレイジーオーシャン初のサワラ専用モデルということで開発段階から注目を集め、ついに満を持してデビューしました。
名前の「グレイブ (Glaive)」は剣や刀の意味で、その名の通りサワラゲームで扱う大型ミノーのジャーキングからブレード系ジグ(ブレードジギング)までマルチに対応できる汎用性が売りです。
専用ロッドというと高価なイメージがありますが、本シリーズは 税抜1万円台 という価格帯に収めることで「専用ロッド=高嶺の花」というイメージを払拭しています。まさに高次元のコストパフォーマンスを実現したエントリーモデルと言えるでしょう。
OG-S70MLとOG-S75Mのスペックの違い
共通仕様 として、ガイドは信頼の富士工業製で、ステンレスフレーム+アルコナイトリングを採用しています。
チタンフレームやSiCリングほどではないものの耐腐食性・耐摩耗性に優れ、ソルト対応ロッドとして十分なスペックです。
またガイドもキャスティング向けの大口径となっていて、以下の写真は左がレジットデザインのスクアドサワラSKS75M+で右がOG-S75Mですが、ガイド径もほとんど同じです。ガイド数も同じですね。
また継ぎ(ジョイント)方式はブランク(竿本体)を二分割できる2ピース仕様ですが、以下の写真ようにグリップジョイント設計(ジョイント部がグリップ付近)を採用することで、継ぎ目の影響を感じさせないスムーズな曲がりを実現しています。持ち運びの利便性と一体感あるアクションの両立は嬉しいポイントですね。
現在発売されているモデルは7フィートクラスの2機種、「OG-S70ML」(7.0ft、ミディアムライト)と 「OG-S75M」(7.5ft、ミディアム)です。それぞれのスペックは以下のとおりです。
モデル | 全長 | 仕舞寸法 | 自重 | 継数 | ラインMAX | ルアーMAX |
---|---|---|---|---|---|---|
OG-S70ML | 213cm | 168cm | 135g | 2本 | PE 1.5号 | 40g(約1.4oz) |
OG-S75M | 226cm | 181cm | 145g | 2本 | PE 1.5号 | 60g(約2.1oz) |
※どちらもスピニングリール対応のキャスティングロッド
スペック表を見ると、長さ以外の基本スペック(継数や対応ライン等)は共通で、自重はわずか10gの差です。どちらも非常に軽量で、手にした第一印象は「これで本当にブリ(ワラサ)クラスまで掛けられるの?」というほど。しかしブランクス(竿の空洞部分)にはしっかり張りがあり、エントリーモデルとは思えない本格的な仕上がりとなっています。ここからは各モデルの特徴を詳しく見ていきましょう。
OG-S70MLの特徴 ― 取り回し重視のショートレングス
出典:クレイジーオーシャン公式ホームページ
スペック詳細と推奨シチュエーション
OG-S70ML(7.0フィート・ミディアムライトパワー) は、その名の通り短めのレングスで取り回しの良さを重視したモデルです。
全長213cm、自重135gと非常に軽く、手元でヒョイっと振り抜ける感覚は初心者でも扱いやすいでしょう。ルアーウェイトは最大40gまで対応しており、伊勢湾でのブレードジギング(ブレード付きメタルジグ)や、中型ミノーを使ったミノーイングゲームにぴったりです。近距離戦がメインとなる場面では、短いロッドの方がルアー操作も繊細に行えるため、サワラのショートバイト(食い浅いアタリ)も逃しにくいでしょう。
このショートレングス設計は、乗合船などで周囲とのお祭りを避けたいシチュエーションで威力を発揮します。船上はどうしても釣り人同士が近い距離になりますが、7フィート前後のロッドなら隣の人とオマツリしにくく、取り回しが楽です。特にサワラは回遊魚で船べりでの取り込み時に暴れやすいですが、短いロッドなら取り込む瞬間もコントロールしやすい利点があります。
加えて、ロッド自体の反発力が高く設計されているため振り抜きの軽快さと感度も両立しており、小さなルアーでもアクションのレスポンスが良いのが特徴です。「軽さ=正義」を体現したような一本で、初めて手にした時はその軽さに思わずニンマリしてしまうはずですよ。
こんな人におすすめ
OG-S70MLは、以下のようなニーズを持つアングラーにおすすめできます。
- 近海のチャーター船がメインで、「ロングキャストよりもルアー操作性を重視したい」エントリー層の方。狭い船上でも扱いやすく、初めてのサワラロッドとして安心感があります。
- 少し柔らかいロッドの方がジャークなどやり易いかたにはこちらが良いです。OG-S75Mに比べてOG-S70MLはミディアムライトなのでジャーク時にティップが絶妙に曲がるのでその方が操作しやすい人はこちらが良いでしょう。
- セカンドロッドとして、小~中型の青物(ハマチ~ワラサクラス)も視野に入れたライトゲームを楽しみたい方。メインロッドが別にあっても、もう一本手軽なキャスティングロッドが欲しい場合に、十分な性能を発揮してくれます。例えば「普段はヒラマサ用の重いロッドを使っているけど、サワラや中型青物用にもう少しライトな竿が欲しい」というケースにピッタリです。
以上のように、OG-S70MLは扱いやすさと軽快さを求める人にマッチしたロッドです。「とにかく最初の一本はミスの少ない操作性重視で!」という方は、こちらを選んでおけば間違いないでしょう。
OG-S75Mの特徴 ― 飛距離&汎用性を求めるロングレングス
スペック詳細と推奨シチュエーション
OG-S75M(7.5フィート・ミディアムパワー) は、その長さを活かした遠投性能とパワーが魅力のモデルです。全長226cmで自重は145gと、70MLに比べわずか10g重いだけですが5インチ(約13cm)の長さ差があります。対応ルアーウェイトは最大60gまでと一回り上がり、大型のシンキングミノーや重ための鉄板バイブレーションも安心して投げられます。例えば強風時に飛距離を出したい時や、ベイトサイズが大きくルアーも重くなりがちな状況では、このロッドのパワーが活きてきます。
7.5ftのロングレングスは、遠くのナブラを直撃したい場合や、大型船でポイントとの距離がある場合に特に威力を発揮します。船の船首(舳先)から水面まで高さがある大型乗合船では、ロッドを長くしておくとルアーを足元までしっかり操作しやすくなります。
またサワラが遠方でボイルしている時にロングキャストが必要になりますが、そんな「もうちょっと飛んでくれ~!」という場面で7.5ftのレングスが頼もしい味方になります。実際、筆者も別のロッドでナブラ打ちを経験しましたが、あと数メートル届かずに悔しい思いをしたことがあります…OG-S75Mなら同じ力加減でも70MLより飛距離が伸びるので、そうしたチャンスロスを減らせるでしょう。
ロングロッドというと振り続けると疲れそうなイメージですが、OG-S75Mはティップが素直(しなやか過ぎず硬過ぎずの絶妙な調子)で、1日振り回しても疲れにくいバランスに仕上げられています。自重145gという軽さも相まって、むしろロッドがしっかり仕事をしてくれる感覚があり、キャストもジャークも力まず行えるでしょう。
60gクラスのルアーをフルキャストしても不安のないバットパワー(根元部分の強さ)を備えているので、大物がヒットしてもしっかり寄せて来られます。サワラはもちろん、青物狙いのライトショアジギングロッド並みのパワー感があるので、思わぬ大物が掛かっても安心です。

私はOG-S75Mを持っています。私の場合、少しでも長さが欲しいのと伊勢湾ではサワキャス中にブリが掛かることも多いのでパワーも欲しいためこちらを選んでいます。
実釣インプレ
今回は実釣テストができていないためインプレッションは後日改めてお届けします。フィールドで使用する際に気になるのは、ジャークやトゥイッチのやり易さです。ロッドによってはジャーキングややりにくい…なんてこともあります。
その点、OG-S75Mはティップのしなやかさも持ち合わせているので、ミノーのワンピッチジャークからブレード系のただ巻きまで一通りこなせそうな印象です(※あくまでカタログスペック上の予想です)。実際の使用感やアクションのつけやすさなど、詳細なインプレッションは後日釣行してレポートいたしますので、気になる方は続報をお待ちください。
こんな人におすすめ
OG-S75Mは、次のようなケースで特におすすめのモデルです。
- 「大型の乗合船で釣ることが多い」「遠くのナブラまで届かせたい」というアングラーの方。ポイントまで距離がある状況でしっかり遠投したい場合、7.5ftのロングロッドが活躍します。船のサイズや釣り座によっては、短竿ではアプローチしづらい場面もOG-S75Mならストレスなく狙えます。
- ブリ・サワラ兼用のライトキャスティング汎用ロッドを探している方。サワラだけでなく5~8kgクラスの青物(ワラサ~ブリ級)まで視野に入れた釣りをするなら、よりパワーのある75Mが安心です。「サワラ用に買ったけど、秋の青物シーズンにもそのまま使えた!」なんて声も期待できるでしょう。1本で色々こなしたい欲張り派にはうってつけです。
このように、OG-S75Mは遠投力とパワーを求める人にフィットしたロッドです。飛距離重視派の方や、将来的にターゲットの幅を広げたいと考えている人は、長めのこちらを選ぶ価値ありです。
70ML / 75M をどう選ぶ?― チェックすべき 3 つの基準
出典:クレイジーオーシャン公式ホームページ
「短い70MLと長い75M、結局どっちが自分に合っているの?」と迷ったら、次の3つのポイントを基準にチェックしてみましょう。
釣行スタイル(場所・船のサイズ・立ち位置)
あなたが主にサワラを狙うフィールドはどこでしょうか?もし防波堤や岸壁から狙うショアスタイルであれば飛距離は大きな武器になりますし、大型船のミヨシ(船首)に乗ることが多いなら長いロッドが有利です。
一方、伊勢湾のように小~中型のチャーター船で近場を回るなら、70MLの取り回しやすさが光ります。自分の釣行スタイルを振り返り、「遠投重視」か「操作性重視」かをまず考えてみましょう。ポイントとの距離や周囲の状況次第で適した長さは変わってきます。
メインで使うルアーの重さ&狙うレンジ(水深)
サワラキャスティングで使うルアーは、状況によって様々ですが、おおむね20~60g程度が中心です。浅場で小型ベイトを追っているサワラには30g前後のブレードジグやミノーが効くことが多く、その場合は40gまで対応の70MLで十分対応可能です。
ただ少しでも飛距離ー出したい場合は少しでも長い75Mが良いです。
体力・経験値と操作性のバランス
一般的に「ロッドは短い方が初心者向きで扱いやすい」と言われますが、必ずしも一概には言えません。たしかに70MLの方が軽くて取り回しは楽ですが、キャストやファイトの際にロッド全体で受け止める力も小さくなるため、ある程度こちらが主導で操作してあげる必要があります。
その点、75Mはロッド自体の反発力が強いので体力に余裕のない方でもキャストの飛距離を稼ぎやすく、魚とのやり取りもロッドパワーに頼れる部分が大きいです。ご自身の筋力や釣り経験を踏まえ、「扱いやすさ優先」か「飛ばしやすさ優先」かを考えてみましょう。
なお、“短いロッド=初心者向け”という単純図式ではない理由は上記の通りです。それぞれのモデルにメリット・デメリットがあり、エントリー向けとは言え仕上がりは本格的ですから、自分の釣りのスタイルに合った方を選ぶのが一番の近道です。「迷ったら両方買って使い分ける!」というのも贅沢ですがアリかもしれませんね(笑)。
ロッドはネット買ってポイ活しよう
中にはロッドをネット買うのは怖いという人もいらっしゃいますが、私はネット購入派です。今まで何か不具合に合ったこともないです。
アマゾンや楽天といったネット購入の最大のメリットは釣具屋よりも安いし、ポイントもゲットできることでしょう。気が付いたらポイントが貯まっていて、そのポイントで新たな釣具が買えてしまうのでお得感を感じてしまいます。
オーシャングレイブ サワラはアマゾンでも楽天でも買えるので嬉しいですよね。
まとめ “1万円台”で始めるサワラゲームの最短ルート
以上、クレイジーオーシャンの オーシャングレイブ サワラ シリーズについて、入門者向けにOG-S70MLとOG-S75Mの特徴を紹介してきました。
どちらを選んでも1万円台とは思えぬハイコスパで、サワラゲームデビューにはうってつけの一本です。むしろ「この価格でこの性能!?」と驚くこと請け合いで、初心者だけでなく上級者がサブロッドとして使っても満足できるクオリティに仕上がっています。
初めてのタックル選びでは、ロッドだけでなくリール・ライン・ルアーなどトータルバランスも重要です。高額なロッドを1本買うより、このシリーズのような手頃で信頼できるロッドを選び、浮いた予算で良いラインやルアーを揃えた方がトータルで釣果に繋がりやすいことも多いです。
そういう意味でも、オーシャングレイブ サワラは初心者がサワラキャスティングを始める最短ルートと言えるでしょう。
ぜひこのロッドを手に、サワラゲームの爽快な世界に飛び込んでみてください。最初の一本で迷ったら「70ML or 75M」のポイントを思い出して、自分にベストな相棒を選んでくださいね。最後までお読みいただきありがとうございました。さあ、次はフィールドで思いっきりキャストして、大海原に舞うサワラとの出会いを存分に楽しみましょう!
オーシャングレイブサワラについては以下のクレイジーオーシャン公式サイトも参考にしていただければと思います。
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